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2025年8月
  • かかとの痛みに耐えた私の足底腱膜炎体験

    医療

    私の右足のかかとに、異変が訪れたのは、40代も半ばに差し掛かった頃でした。健康のためにと、週末にジョギングを始めて数ヶ月が経ったある朝、ベッドから降りた瞬間、右のかかとに、まるで釘を踏み抜いたかのような、鋭い痛みが突き抜けました。思わず「痛っ!」と声を上げ、その場にへたり込んでしまいました。骨にヒビでも入ったのかと本気で心配しましたが、しばらく足を引きずりながら家の中を歩いていると、痛みは少しずつ和らいでいきました。その日は、筋肉痛の一種だろうと、軽く考えていました。しかし、翌朝も、その次の朝も、目覚めの一歩目は、必ず激痛に襲われるのです。日中も、デスクワークで長時間座った後や、車から降りる時に、同様の痛みが走り、歩き始めが非常につらい。さすがにこれはおかしいと感じ、私は近所の整形外科を受診することにしました。レントゲン検査では、骨に異常は見当たりませんでした。医師は、私の痛むかかとを入念に押し、「ここが痛いですか?」と確認しました。そこは、まさに痛みの中心でした。「典型的な足底腱膜炎ですね。急に運動を始めたことと、クッション性のないシューズが原因でしょう」と、診断が下されました。その日から、私の地道な治療が始まりました。まず、炎症を抑えるための湿布と、痛みが強い時のための飲み薬。そして、理学療法士の指導のもと、足の指でタオルをたぐり寄せる運動や、アキレス腱を伸ばすストレッチを、毎日欠かさず行いました。ジョギングはしばらく中止し、普段履く靴も、衝撃吸収性の高い、しっかりとしたスニーカーに全て買い替えました。痛みが完全に消え、朝の第一歩の恐怖から解放されるまでには、実に半年以上の歳月を要しました。たかがかかとの痛み、と侮っていた自分を猛省すると同時に、私たちの体を毎日支えてくれている、足の裏の小さな組織の重要性を、あの強烈な痛みと共に、骨の髄まで思い知らされた経験でした。

  • 夏の腹痛で病院へ、何科へ行けば安心か

    医療

    夏のつらい腹痛。数日経っても治らない、あるいは、痛みがどんどん強くなってくる。そんな時、適切な医療機関を受診することは、正しい診断と治療への第一歩です。では、夏の腹痛で悩んだら、一体、何科の扉を叩けば良いのでしょうか。その症状によって、いくつかの選択肢が考えられます。まず、最も一般的で、幅広い腹痛の原因に対応できるのが、「消化器内科」です。消化器内科は、食道から胃、腸、そして肝臓、胆嚢、膵臓といった、消化器全般の専門家です。夏場に多い、感染性胃腸炎や、冷えによる腸の機能低下はもちろんのこと、胆石症や急性膵炎といった、より専門的な診断が必要な病気まで、包括的に診てくれます。腹痛に加えて、下痢や嘔吐、胃もたれといった、消化器系の症状が中心である場合は、まず消化器内科を受診するのが、最も確実な選択と言えるでしょう。次に、かかりつけの「内科」や「総合内科」も、最初の相談窓口として、非常に頼りになる存在です。腹痛だけでなく、発熱や倦怠感など、全身の症状が伴う場合、体全体を総合的に診てくれる内科医が適しています。そこで、食中毒が疑われる、あるいは、より専門的な検査が必要だと判断されれば、適切な専門科や、提携病院へスムーズに紹介してくれます。また、女性の場合、下腹部の痛みが、婦人科系の病気である可能性も、常に考えておく必要があります。月経周期との関連性や、不正出血を伴う場合は、「婦人科」を受診すべきです。夏場は、体の抵抗力が落ちやすく、骨盤腹膜炎などを起こしやすくなることもあります。そして、排尿時の痛みや、頻尿、血尿といった、泌尿器系の症状を伴う腹痛の場合は、「泌尿器科」が専門となります。夏場は、脱水から尿路結石を発症しやすい季節でもあります。どの科を受診すれば良いか、どうしても判断に迷う場合は、まずは、かかりつけ医か、最も症状が広い範囲をカバーしている、消化器内科に相談するのが良いでしょう。大切なのは、自己判断で重症化させてしまう前に、専門家の助けを借りることです。

  • 胃が痛い時に行くべき診療科とその選び方

    医療

    キリキリとした差し込むような痛み、あるいは、どんよりと重苦しい不快感。胃の痛みは、多くの人が経験するありふれた症状ですが、その原因は様々です。いざ、つらい痛みで病院へ行こうと思った時、「この症状は、一体何科で相談すれば良いのだろう」と迷ってしまうことは少なくありません。適切な診療科を選ぶことは、迅速な診断と効果的な治療への第一歩です。胃の痛みを診る中心的な役割を担うのは、「消化器内科」です。消化器内科は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸といった消化管と、肝臓、胆嚢、膵臓といった、消化に関わる臓器全般の病気を専門とする診療科です。胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、そして胃がんなど、胃の痛みを引き起こす多くの病気が、この診療科の対象となります。胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)などの専門的な検査を用いて、胃の粘膜の状態を直接観察し、正確な診断を下すことができます。次に、一般的な「内科」や「総合内科」、あるいは、普段から通っている「かかりつけ医」も、最初の相談窓口として非常に適しています。特に、胃の痛みだけでなく、発熱や咳、全身の倦怠感といった、他の症状も伴う場合は、体全体を総合的に診てくれる内科医が頼りになります。そこで、より専門的な検査が必要と判断されれば、消化器内科へ紹介してもらう、という流れがスムーズです。また、ストレスが原因で胃の痛みが起きていると考えられる場合は、「心療内科」が選択肢となることもあります。検査をしても器質的な異常が見つからないにもかかわらず、痛みが続く場合、心療内科では、心理的な側面からのアプローチで、症状の緩和を目指します。そして、見逃してはならないのが、胃以外の臓器が原因で、みぞおちに痛みを感じるケースです。例えば、「胆石症」や「急性膵炎」、そして、最も危険なのが「心筋梗塞」です。胸の圧迫感や、背中への放散痛、冷や汗などを伴う場合は、迷わず循環器内科や救急外来を受診する必要があります。

  • 耳鼻咽喉科へ行くべき咳の見分け方

    医療

    長引く咳に悩まされた時、多くの人は内科や呼吸器内科を思い浮かべますが、実はその咳の原因が「鼻」や「喉」にあるケースは、決して少なくありません。このような場合、呼吸器の専門家ではなく、鼻と喉の専門家である「耳鼻咽喉科」を受診することが、問題解決への最も早い近道となります。では、どのような症状があれば、耳鼻咽喉科を訪れるべきなのでしょうか。その見分け方のポイントは、「咳以外の、鼻や喉の随伴症状」にあります。まず、最も代表的なのが、「鼻水」や「鼻づまり」を伴う咳です。特に、粘り気のある、色のついた鼻水が続く場合は、「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」、いわゆる蓄膿症の可能性があります。副鼻腔で起きた炎症によって作られた膿を含んだ鼻水が、喉の奥へと流れ落ちる「後鼻漏(こうびろう)」となり、これが気管を刺激して、痰が絡んだような、湿った咳を引き起こすのです。日中は鼻をかむことで排出できますが、就寝中は無意識に喉に流れ込み続けるため、特に、朝起きた時に咳き込むことが多いのが特徴です。同様に、「アレルギー性鼻炎」でも、水のような鼻水が後鼻漏となり、咳の原因となることがあります。次に、「喉の痛みやイガイガ感、声がれ」が、咳と共に続いている場合も、耳鼻咽喉科の領域です。喉の奥、鼻と喉の境目にある「上咽頭」に、慢性的な炎症が起きている(慢性上咽頭炎)と、その刺激で咳が出やすくなります。また、声帯にポリープができていたり、炎症があったりする場合も、声がれと共に、咳払いを繰り返すような症状が現れます。耳鼻咽喉科では、内視鏡(ファイバースコープ)を使って、鼻の奥から喉、声帯までを直接観察することができるため、これらの病変を正確に診断することが可能です。さらに、「咳をしている時に、片方の耳が痛む」といった症状がある場合も、耳と喉が耳管で繋がっているため、関連を調べる必要があります。このように、咳だけでなく、鼻水、鼻づまり、喉の違和感といった症状が、パズルのピースのように組み合わさっている場合は、その原因が鼻や喉にある可能性を強く疑い、耳鼻咽喉科の専門医に相談してみてください。

  • 咳が止まらない時に考えられる主な病気

    医療

    二週間以上続く、しつこい咳。それは、体が発している何らかの異常を知らせるサインかもしれません。単なる風邪の治りかけと片付けてしまう前に、長引く咳の背後に隠れている可能性のある、いくつかの代表的な病気を知っておくことが重要です。まず、最も頻度が高い原因の一つが、「感染後咳嗽(かんせんごがいそう)」です。これは、風邪やインフルエンザ、アールエスウイルスなどの呼吸器感染症にかかった後、ウイルスはいなくなったにもかかわらず、咳だけが3週間以上にわたって続く状態を指します。ウイルスとの戦いで、気道の粘膜が傷つき、過敏になっているために、少しの刺激で咳が出てしまうのです。次に、近年増加しているのが「咳喘息(せきぜんそく)」です。これは、喘息(気管支喘息)の一種ですが、喘息特有の「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった喘鳴や呼吸困難はなく、唯一の症状が、長引く空咳(からぜき)であるのが特徴です。特に、夜間から明け方にかけて、あるいは、冷たい空気やタバコの煙、会話などで咳が悪化する傾向があります。これを放置すると、本格的な気管支喘息に移行することもあるため、早期の治療が重要です。鼻の症状を伴う場合は、「副鼻腔炎(蓄膿症)」や「アレルギー性鼻炎」が原因となっている可能性も高いです。鼻で作り出された粘り気のある鼻水が、喉の奥に落ちる「後鼻漏(こうびろう)」となり、それが気管を刺激して、痰が絡んだような湿った咳を引き起こします。また、胸焼けや、酸っぱいものがこみ上げてくる感じがある場合は、「逆流性食道炎」が咳の原因となっていることもあります。胃酸が食道に逆流し、その刺激が神経を介して、咳を誘発するのです。その他にも、百日咳、マイコプラズマ肺炎といった特定の感染症や、降圧薬(ACE阻害薬)の副作用、そして頻度は低いですが、肺がんや肺結核といった、重篤な病気が隠れている可能性もゼロではありません。このように、長引く咳の原因は多岐にわたります。自己判断はせず、専門医による正確な診断を受けることが、適切な治療への第一歩です。

  • 子どもの風邪で迷ったら何科へ行く?

    医療

    子どもの突然の発熱や咳、鼻水。特に、まだ言葉で症状をうまく伝えられない小さなお子さんの場合、保護者は大きな不安を感じるものです。そんな時、どの病院に連れて行けば良いのか、診療科選びに迷うこともあるでしょう。子どもの風邪における、病院選びの基本を知っておきましょう。まず、子どもの体調不良で、第一に頼るべきなのは「小児科」です。小児科医は、新生児から思春期までの、子どもの成長と発達、そして病気の全てを専門とするエキスパートです。子どもは、大人とは体のつくりも、病気の進行の仕方も異なります。また、薬の量も、体重や年齢に応じて、きめ細かく調整する必要があります。小児科医は、これらの子どもの特性を熟知しており、風邪の症状の裏に隠れた、子ども特有の病気を見つけ出すことにも長けています。まずは、信頼できるかかりつけの小児科を見つけておくことが、何よりも安心に繋がります。しかし、症状によっては、「耳鼻咽喉科」が非常に頼りになる場合があります。例えば、鼻水や鼻づまりがひどく、夜も眠れない、あるいは中耳炎を繰り返しているようなケースです。耳鼻咽喉科では、専用の器具で鼻水を吸引してくれたり、耳の中の状態を詳しく診てくれたりします。また、ゼロゼロ、ケンケンといった、犬の鳴き声のような咳(クループ症候群)が出る場合も、喉頭という喉の奥の専門家である耳鼻咽喉科が適しています。どちらを受診すべきか迷った時の簡単な目安は、熱や全身のだるさが主症状なら小児科、鼻水や喉の痛みが主症状なら耳鼻咽喉科、と考えると良いでしょう。もちろん、小児科を受診して、そこで耳鼻咽喉科的な処置が必要と判断されれば、紹介してもらうことも可能です。大切なのは、保護者の自己判断で様子を見すぎないこと。特に、ぐったりして元気がない、水分が摂れない、呼吸がおかしい、けいれんを起こした、といった場合は、診療時間外であっても、救急外来を受診する必要があります。

  • 胃が痛い時に考えられる主な病気

    医療

    「胃が痛い」と一言で言っても、その痛みの性質や、伴う症状によって、考えられる病気は様々です。自分の症状をよく観察し、どのような病気の可能性があるのかを知っておくことは、適切な診療科を選び、医師に症状を伝える上で、非常に役立ちます。まず、急に始まったキリキリとした痛みであれば、「急性胃炎」が考えられます。暴飲暴食や、アルコールの飲み過ぎ、ストレス、あるいは鎮痛剤の副作用などが引き金となり、胃の粘膜がただれて炎症を起こす状態です。吐き気や胃もたれを伴うこともあります。痛みが、食事中や食後、あるいは空腹時に、周期的に現れる場合は、「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」の可能性があります。これらは、胃酸によって、胃や十二指腸の粘膜が深く傷ついてしまった状態で、悪化すると出血(吐血や下血)や、穿孔(胃に穴が開く)といった、重篤な状態に至る危険性があります。ピロリ菌の感染が、大きな原因の一つとされています。胸のあたりが焼けるように熱い感じ(胸焼け)や、酸っぱいものがこみ上げてくる感じ(呑酸)を伴う、みぞおちの痛みであれば、「逆流性食道炎」が疑われます。胃酸が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起こる病気です。食後すぐに横になる習慣や、肥満、加齢などが原因となります。特に、検査をしても、胃に潰瘍や炎症といった、目に見える異常が見つからないにもかかわらず、胃もたれや、食後の膨満感、みぞおちの痛みが慢性的に続く場合は、「機能性ディスペプシア」と診断されることがあります。これは、胃の運動機能の異常や、知覚過敏が原因と考えられており、ストレスが大きく関与していると言われています。また、感染性の「ウイルス性胃腸炎」でも、腹痛、下痢、嘔吐と共に、胃の痛みが現れます。そして、見逃してはならないのが、「胃がん」です。初期の胃がんは、自覚症状がほとんどありませんが、進行すると、持続的な胃の痛みや不快感、食欲不振、体重減少といった症状が現れることがあります。これらの病気は、症状だけでは区別がつきにくいため、正確な診断のためには、胃カメラなどの専門的な検査が不可欠です。

  • その胃の痛み、本当に胃が原因ですか

    医療

    みぞおちのあたりが痛むと、私たちは反射的に「胃が悪い」と考えがちです。しかし、お腹の上部は、胃以外にも、様々な重要な臓器が密集している場所です。そして、それらの臓器の病気が、胃の痛みとよく似た症状を引き起こすことは、決して珍しくありません。「胃が痛い」という自己判断が、時に、重大な病気の見逃しに繋がる危険性があることを、知っておく必要があります。胃のすぐ隣にあり、症状が混同されやすい臓器の代表格が、「胆嚢」と「膵臓」です。胆嚢に石ができる「胆石症」は、普段は無症状のことも多いですが、石が胆嚢の出口に詰まると、「胆石発作」と呼ばれる、みぞおちから右の肋骨下にかけての、転げ回るほどの激痛を引き起こします。特に、脂っこい食事をした後に起こりやすいのが特徴です。また、アルコールの飲み過ぎなどが原因で、膵臓に急激な炎症が起こる「急性膵炎」も、みぞおちの激しい痛みが特徴です。この痛みは、背中にも突き抜けるように感じられることが多く、嘔吐を伴い、重症化すると命に関わる、緊急性の高い病気です。そして、最も注意しなければならないのが、「心臓」の病気です。「狭心症」や「心筋梗塞」といった、心臓の血管が詰まる病気の痛みが、胸だけでなく、みぞおちの痛みとして感じられる「放散痛」として現れることがあります。特に、高齢者や糖尿病患者では、典型的な胸の痛みが出にくく、胃の不快感としてしか自覚されないこともあります。「階段を上るとみぞおちが痛む」「冷や汗や息苦しさを伴う」といった場合は、心臓からの危険信号かもしれません。この場合は、一刻も早く、循環器内科や救急外来を受診する必要があります。その他にも、大腸のうち、みぞおちの近くを通る「横行結腸」の病気や、稀ですが、大動脈の壁が裂ける「大動脈解離」という、極めて危険な病気が、みぞおちの痛みとして発症することもあります。胃の痛みだと決めつけず、痛みの性質や、伴う症状をよく観察し、少しでも「いつもと違う」と感じたら、迷わず専門医に相談してください。

  • かかとが痛い時に考えられる他の病気

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    朝の一歩目のかかとの痛みは、多くの場合、足底腱膜炎が原因ですが、それ以外の病気が隠れている可能性もゼロではありません。なかなか症状が改善しない場合や、典型的な足底腱膜炎とは少し違う症状がある場合は、他の病気の可能性も視野に入れる必要があります。足底腱膜炎と症状が似ている病気の一つに、「踵骨棘(しょうこつきょく)」があります。これは、足底腱膜がかかとの骨を引っ張り続けることで、骨の一部がトゲのように、前に向かって突き出してしまった状態です。レントゲンを撮ると、この骨のトゲがはっきりと写ります。踵骨棘がある人、全てに痛みがあるわけではありませんが、このトゲが周囲の組織を刺激し、痛みの原因となることがあります。治療法は、足底腱膜炎とほぼ同様です。次に、高齢者に多いのが、「踵部脂肪褥(しょうぶしぼうじょく)の萎縮」です。かかとには、衝撃を吸収するための、厚い脂肪のクッションがありますが、加齢と共に、この脂肪組織が痩せて薄くなってしまうことがあります。クッションが失われることで、骨が直接地面からの衝撃を受けるようになり、歩くたびに痛みを感じるようになります。また、かかとの痛みに加えて、足の裏や指先に、ジンジンとしたしびれや、焼けるような痛みを伴う場合は、神経の圧迫が原因である可能性も考えられます。足首の内くるぶしの下で神経が圧迫される「足根管症候群」や、腰に原因がある「坐骨神経痛」などが、かかとの痛みとして感じられることもあります。さらに、頻度は低いですが、子どもや若いスポーツ選手では、かかとの骨の「疲労骨折」も考えられます。繰り返されるジャンプやランニングによって、かかとの骨に微細な骨折が生じるもので、安静にしていても痛みが続くのが特徴です。そして、非常に稀ですが、関節リウマチなどの膠原病や、細菌感染による骨髄炎、骨の腫瘍などが、かかとの痛みの原因となることもあります。痛みが長引く、腫れや熱感が強い、夜間にも痛むといった場合は、安易に自己判断せず、必ず整形外科などの専門医を受診し、正確な診断を受けることが重要です。

  • かかとの痛みを悪化させるやってはいけないこと

    知識

    朝、かかとに激痛が走り、足底腱膜炎と診断された。つらい痛みから一刻も早く解放されたいと、良かれと思って、様々なセルフケアを試したくなるかもしれません。しかし、その中には、かえって炎症を悪化させ、回復を遅らせてしまう「やってはいけないこと」も含まれています。症状をこじらせないために、避けるべき行動を正しく理解しておきましょう。まず、痛みが強い急性期に、最もやってはいけないのが、「痛む部分を強く揉む、マッサージする」ことです。炎症が起きている部分は、いわば火事が起きているような状態です。そこに、強い圧力を加えて揉みほぐすと、燃え盛る炎に油を注ぐようなもので、炎症をさらに助長し、腫れや痛みを増強させてしまいます。また、硬くなった腱膜を無理やり引き伸ばそうと、「痛みを我慢して、過度なストレッチを行う」のも禁物です。ストレッチは、回復期に、痛気持ちいい範囲で行うからこそ効果があるのであり、急性期に無理に行うと、微細な断裂を起こしている筋繊維を、さらに傷つけてしまうことになります。次に、意外と見落としがちなのが、「痛みを無視して、運動を続ける」ことです。特に、スポーツ愛好家の方は、「これくらいの痛みなら大丈夫」と、ランニングやジャンプ系の運動を続けてしまいがちですが、これは症状を慢性化させる最大の原因です。足底腱膜に、治癒する暇を与えず、繰り返し負担をかけ続けることで、組織はどんどん硬くなり、治りにくい状態になってしまいます。医師から許可が出るまでは、勇気を持って休むことが、結果的に早期復帰への近道となります。また、「合わない靴を履き続ける」のも、当然ながらNGです。底が薄くて硬い靴や、クッション性のないサンダル、ヒールの高い靴などは、足底腱膜への負担を直接的に増大させます。治療期間中は、意識的に、衝撃吸収性の高い、足に優しい靴を選ぶようにしましょう。そして、痛いからといって、「かかとをかばって、つま先立ちで歩く」ような、不自然な歩き方を続けるのも、ふくらはぎや、足の他の部分に新たな負担をかけ、二次的な痛みを引き起こす原因となり得ます。正しい治療と、正しいセルフケア、そして、やってはいけないことをしない勇気。この三つが揃って初めて、かかとの痛みは、快方へと向かっていくのです。

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