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病院へ行くべき風邪の見分け方
ほとんどの風邪は、十分な休養と栄養を摂ることで、自然に治癒に向かいます。しかし、中には、こじらせて重症化したり、あるいは風邪ではない別の病気が隠れていたりするケースもあります。「たかが風邪」と侮って自己判断を続けることは、時に危険を伴います。市販薬で様子を見ても良い風邪と、すぐに病院へ行くべき風邪。その見分け方のポイントを知っておくことが、自分自身の健康を守る上で重要です。まず、病院の受診を強く推奨するのは、以下のような危険なサインが見られる場合です。一つ目は、「3日以上続く高熱」です。特に38.5度以上の熱が下がらない場合は、インフルエンザや他の細菌感染症の可能性も考えられます。二つ目は、「呼吸の異常」です。息苦しさや、胸の痛み、ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴がある場合は、肺炎や気管支炎を起こしている可能性があります。三つ目は、「水分が全く摂れない」状態です。嘔吐や下痢がひどく、水分補給ができないと、脱水症状に陥る危険があります。四つ目は、「意識の状態」です。ぐったりして呼びかけへの反応が鈍い、意識が朦朧としている場合は、緊急性が非常に高い状態です。その他にも、「激しい頭痛や関節痛」「発疹が出た」「症状が日に日に悪化していく」といった場合も、医療機関の受診を検討すべきです。特に、高齢者、乳幼児、妊娠中の方、そして、心臓病や糖尿病などの持病がある方は、重症化しやすいため、早めに医師に相談することが賢明です。一方で、熱が微熱程度で、食欲も比較的あり、水分もしっかりと摂れている。そして、症状が咳や鼻水、喉の痛みといった、軽い上気道症状に留まっている場合は、市販の風邪薬を使いながら、自宅で安静にして様子を見るという選択も可能です。自分の体の声に耳を傾け、「いつもと違う」「何かおかしい」と感じたら、迷わず専門家の助けを借りる勇気を持つことが大切です。