子供が中学生、あるいは高校生になったとき、多くの病院では「付き添い不要」という判断が標準となります。本人の意思疎通が明確になり、自力でトイレや食事が行えるようになれば、病院側の管理責任の範囲内で安全が保てるとみなされるためです。しかし、実際には中学生であっても、手術に対する強い恐怖や、長期入院による精神的な孤独、あるいは難病の闘病過程で親の付き添いを切実に必要とするケースは多々あります。全国の主要な大学病院や小児病院の規定を調査した結果、中学生以上の付き添いについては、多くの場合で「医師が医学的に必要と認めた場合に限る」という条件付きの許可制が採用されていました。この「医学的に必要」という言葉の中には、単なる身体的な不自由だけでなく、精神医学的な観点からのアプローチも含まれます。例えば、パニック障害や強い不安感がある場合、あるいは自閉スペクトラム症などの特性から環境の変化に適応するのが極めて困難な場合は、診断書等を介して付き添いが正当化されます。また、がん化学療法などの副作用が激しい治療の際も、情緒の安定を図るために親の同伴が推奨されることがあります。調査で浮かび上がったもう一つの実態は、付き添いを認める代わりに「個室への入室」を義務付ける病院が圧倒的に多いという点です。これは、大部屋での生活において、大人が一人増えることによる騒音やスペースの圧迫が、他の入院患者、特に受験勉強などを行っている中高生患者のストレスになるのを避けるための配慮です。したがって、中学生以上の子供に付き添いたいと願うなら、高額な個室料金という経済的なハードルを越える覚悟が必要になるのが日本の現状です。しかし、病院によっては、昼間の面会時間を夜九時や十時までと大幅に延長することで、宿泊なしでも十分なサポートを可能にしているところもあります。結論として、中学生以上での付き添いは「不可」と決めつけるのではなく、主治医に対して「本人の性格上、夜間の不安が強く治療の妨げになる可能性がある」と論理的に相談することが、道を開く鍵となります。年齢という数字に縛られず、個別の事情を汲み取ってもらえるよう、医療者との対話を重ねる姿勢が求められています。
中学生以上の入院で親の付き添いは可能か調査した結果