繰り返すかかとの痛みや、足底腱膜炎の悩みから解放されるためには、ストレッチや治療と並行して、毎日履いている「靴」を根本から見直すことが、非常に重要な鍵となります。私たちの足は、全体重を支え、地面からの衝撃を一身に受け止める、精密なサスペンションのようなものです。そして、靴は、その大切なサスペンションを保護し、その機能を最大限に引き出すための、最も重要なパートナーなのです。自分に合わない靴を履き続けることは、例えるなら、サスペンションが壊れた車で、悪路を走り続けるようなもの。足底腱膜には、絶えず過剰な負担がかかり続け、症状の悪化や再発を招いてしまいます。かかとの痛みに悩む人が、靴を選ぶ際に、チェックすべきポイントは三つあります。第一に、「十分なクッション性」です。歩行時、かかとには体重の数倍の衝撃がかかります。この衝撃を、靴のソールが効果的に吸収してくれるかどうかは、極めて重要です。特に、かかと部分に、衝撃吸収材(ゲルなど)が内蔵されている、ランニングシューズやウォーキングシューズは、非常に有効です。底が薄くて硬い革靴や、ペタンコなフラットシューズは、地面からの衝撃が直接足に伝わるため、避けるべきです。第二に、「適切なアーチサポート」です。足の裏の土踏まず(アーチ)は、衝撃を分散させるバネの役割を担っています。このアーチが低い(偏平足)と、足底腱膜が常に引き伸ばされた状態になり、負担が増大します。靴の中敷き(インソール)が、土踏まずの形に沿って、立体的に盛り上がっており、下からしっかりとアーチを支えてくれる構造のものを選びましょう。そして、第三に、「かかとの安定性」です。かかと部分(ヒールカウンター)が、硬く、しっかりとした作りの靴は、歩行時にかかとが内外にぶれるのを防ぎ、足の動きを安定させてくれます。これにより、足底腱膜にかかる、ねじれのストレスを軽減することができます。これらの条件を満たす靴を見つけ、さらに、自分の足の形に合わせて作製する「オーダーメイドインソール(足底装具)」を組み合わせれば、まさに鬼に金棒です。整形外科などで相談し、作製することができます。足への投資は、未来の健康への投資です。デザインだけでなく、機能性という視点で、あなたの足をいたわる一足を選んであげてください。
靴とインソールがあなたの足の未来を救う