マイコプラズマ肺炎の治療を受け、抗生物質を飲み終えた。熱もなくなり、体のだるさも消えた。これでようやく完治だと思いたいところですが、一体どの状態になれば「完全に治った」と言えるのでしょうか。治療期間の終わりを見極める判断基準を知っておくことは、無理をして再発を招くことを防ぐために非常に重要です。まず、医師が治療終了と判断する上で最も重視するのが、自覚症状の消失です。具体的には、「発熱がない」「激しい咳が治まっている」「痰がほとんど出ない」「息苦しさがない」「全身の倦怠感がなく、普段通りの活動ができる」といった点が挙げられます。特に、解熱剤を使わずに平熱を保てる状態が続いていることは、体内の炎症が治まっていることを示す重要なサインです。ただし、前述の通り、マイコピアズマ肺炎は解熱後も軽い空咳が続くことがよくあります。この咳が完全にゼロになるまでを治療期間と考える必要はありませんが、日常生活に支障をきたすほどの激しい咳が続く場合は、まだ完治とは言えない状態です。次に、客観的な所見として、診察時の聴診で肺の音が正常になっていることが確認されます。さらに、必要に応じて胸部レントゲン撮影を再度行い、肺炎の影が消失、あるいは明らかに改善していることを画像で確認することもあります。血液検査で炎症反応を示すCRPの値が正常に戻っていることも、完治の判断材料となります。抗生物質の処方期間が終了した時点で、これらの基準を満たしていれば、医師は「治癒」と判断し、一連の治療は終了となります。しかし、忘れてはならないのが、この「治癒」の状態と、病気になる前の「完全な健康体」とはイコールではないということです。肺炎という大きな病気を乗り越えた後の体は、まだ本調子ではありません。治療期間が終わっても、その後数週間は無理をせず、十分な栄養と休息を心がけ、徐々に体力を戻していく「回復期間」が必要なのです。本当の意味での完治とは、この回復期間を経て、ようやく達成されるものだと考えましょう。