声が出ない、あるいは声がかすれるという症状は、その原因によって、訪れるべき診療科が異なる場合があります。もちろん、基本的には「耳鼻咽喉科」が第一選択ですが、伴っている他の症状によっては、別の科を視野に入れることも重要です。ここでは、あなたの症状から、最適な病院選びのヒントを探ります。まず、最も多いのが「風邪の症状や、声の使いすぎの後に声が出なくなった」というケースです。喉の痛みや咳、鼻水といった症状を伴う場合は、ウイルスや細菌による「急性声帯炎」が考えられます。また、カラオケやスポーツ観戦で大声を出した後であれば、声帯が物理的なダメージを受けている可能性があります。これらの場合は、迷わず「耳鼻咽喉科」を受診してください。声帯の状態を直接診てもらうのが一番です。次に、「強いストレスや、精神的なショックを受けた後に、突然声が出なくなった」という場合。喉に痛みや違和感は全くないのに、囁き声しか出ない、といった症状であれば、「心因性失声症」の可能性があります。この場合、まずは耳鼻咽喉科で声帯に器質的な異常がないことを確認してもらった上で、原因となっているストレスに対処するために、「精神科」や「心療内科」への受診が推奨されます。また、「声が出ないことに加えて、ろれつが回らない、物が二重に見える、手足がしびれる」といった症状がある場合は、事態はより深刻です。これは、脳梗塞や脳腫瘍といった、脳の病気が原因で、声を出すための神経が麻痺しているサインかもしれません。この場合は、一刻も早く「脳神経外科」や「神経内科」を受診する必要があります。夜間や休日であれば、救急外来を受診することもためらわないでください。そして、最も緊急性が高いのが、「声が出ない、かすれる」に加えて、「息が苦しい、呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューという音がする」場合です。これは、アレルギー反応(アナフィラキシー)や、喉の極端な腫れによって、気道が塞がりかけている非常に危険な状態です。この場合は、迷わず「救急車」を呼んでください。あなたの症状を冷静に観察することが、正しい病院選びの第一歩となります。