立ちくらみやめまい、ちょっとした階段で息が切れる、朝起きるのが異常につらい。そんな体の不調を感じた時、「もしかして貧血かな?」と不安に思う方は少なくないでしょう。しかし、その次に多くの人が直面するのが「一体、何科の病院に行けば良いのだろう?」という、意外と難しい問題です。内科なのか、それとも女性なら婦人科なのか。その問いに対する最もシンプルで、そして最も正しい答えは、「まずは、お近くの内科を受診する」ということです。特に、かかりつけの内科クリニックがある場合は、そこが最適な最初の相談窓口となります。貧血の診断において、基本となるのは血液検査です。内科では、この血液検査を通じて、血液中のヘモグロビン濃度や赤血球の数、そして体内に貯蔵されている鉄分の量(フェリチン値)などを測定し、貧血の有無と、その程度を正確に診断することができます。そして、もし貧血と診断された場合、その原因を探っていくのが次のステップとなります。貧血は、それ自体が病名というよりも、体のどこかで起きている異常の結果として現れる「症状」だからです。その原因として最も多いのが、鉄分の不足による「鉄欠乏性貧血」ですが、その背景には、食生活の問題だけでなく、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、あるいは胃がんや大腸がんといった、消化管からの慢性的な出血が隠れている可能性も考えられます。内科医は、これらの可能性を視野に入れ、必要であれば便の検査や、胃カメラ・大腸カメラといった精密検査を提案してくれます。また、女性の場合、貧血の最大の原因が月経による出血であることも少なくありません。特に、経血の量が異常に多い「過多月経」は、子宮筋腫や子宮内膜症といった婦人科系の病気のサインである可能性があります。内科での診察の結果、婦人科系の病気が疑われる場合は、そこから婦人科へと紹介してもらうことができます。何科に行くべきか迷ったら、まずは体の状態を総合的に診てくれる内科を受診し、そこを起点として、専門的な診断と治療への道筋をつけてもらう。それが、原因不明の不調から抜け出すための、最も確実で安心なルートなのです。
貧血かなと思ったらまず何科に行くべき?