大人のマイコプラズマ肺炎の治療期間は、どの種類の抗生物質が選択されるかによっても左右されます。治療の成功は、原因菌に対して有効な薬剤を、適切な期間、確実に服用することにかかっています。現在、大人のマイコプラズマ肺炎治療に用いられる主な抗生物質は、マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系の三種類です。まず、これまで第一選択薬とされてきたのが「マクロライド系」です。クラリスロマイシン(クラリス)やアジスロマイシン(ジスロマック)が代表的な薬です。アジスロマイシンは、三日間の服用で効果が一週間持続するという特徴があり、服用期間が短いのがメリットです。しかし、近年このマクロライド系が効かない薬剤耐性菌が非常に増えているため、最初に処方されても効果が見られないケースが多くなっています。次に、マクロライド耐性菌に対して有効なのが「テトラサイクリン系」です。ミノサイクリン(ミノマイシン)などがこれにあたります。マクロライド系が効かなかった場合に、次の選択肢として用いられることが多い薬です。一般的な服用期間は七日から十日間程度となります。そして、もう一つの有効な選択肢が「ニューキノロン系」です。レボフロキサシン(クラビット)やトスフロキサシン(オゼックス)などがあります。こちらも耐性菌に効果が高く、重症例などにも用いられます。服用期間は七日から十日間が目安です。ここで最も重要な注意点は、どの薬であっても「症状が良くなったからといって自己判断で服用を中止しない」ことです。例えば、服用を開始して三日目で熱が下がり、体が楽になったとしても、まだ体内には菌が潜んでいます。処方された日数分を最後まで飲み切ることで、菌を完全に叩き、再燃や耐性菌の発生を防ぐことができるのです。治療期間を決定するのは、あなた自身ではなく医師です。処方された薬の種類とその意味を理解し、指示された服用期間を厳守することが、確実な回復への一番の近道となります。
治療薬の種類で変わる大人の服用期間と注意点