今から二年前の夏、三歳だった息子の背中に数個の小さなポツポツを見つけたのが、我が家の水いぼとの戦いの始まりでした。最初は汗疹か何かだと思って様子を見ていたのですが、わずか二週間のうちにその数は三十個を超え、太ももや脇の下にまで広がっていきました。小児科の先生から「これ、水いぼだね。皮膚科で取ってもらったほうがいいよ」と言われたとき、私の脳裏をよぎったのは、テレビやネットで見た「ピンセットでむしり取る」という恐ろしい光景でした。受診当日、皮膚科の待合室で震える息子を抱きしめながら、私は自分の決断が正しいのか何度も自問自答しました。看護師さんから渡されたのは、切手ほどの大きさの麻酔テープでした。これを一つひとつのいぼに貼っていく作業は、まるでこれから起こる嵐を予感させる儀式のようで、私の手もわずかに震えていました。一時間後、ついに診察室に呼ばれました。先生は慣れた手つきで、先端がリング状になった特殊なピンセットを手に取りました。「ちょっとチクッとするよ、頑張ろうね」という言葉と同時に、処置が始まりました。息子は最初の一突きで火がついたように泣き叫びました。私は彼の足を必死に押さえながら、心の中で何度も「ごめんね」と謝り続けました。目に見えるウイルスの芯がピンセットで次々と取り出されていく様子は、確かに残酷に見えましたが、先生の動きは驚くほど迅速で正確でした。合計で十五個ほどの水いぼが取り除かれ、処置自体は五分もかからずに終了しました。診察室を出たとき、息子の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃでしたが、驚いたことに五分後には「頑張ったよ!」と笑顔でシールを選んでいました。その後、家でガーゼを剥がしてみると、あんなに不気味だった水いぼの盛り上がりが平らになっており、一週間後には傷跡もほとんど目立たなくなりました。心配していた再発も、数個の小さなものが出てきただけで、それも早めに受診してピンセットで取ってもらうことで、最終的には一ヶ月ほどで完治に至りました。あの時、泣かせるのがかわいそうだからと放置していたら、おそらく全身に広がってもっと辛い思いをさせていたでしょう。ピンセットでの処置は確かに親子にとって試練ですが、それはしぶといウイルスとの戦いを最短で終わらせるための、有効な「外科手術」だったのだと今は確信しています。水いぼのピンセット摘除を迷っているお母さんがいたら伝えたいです。一瞬の涙の先には、清潔な肌を取り戻したわが子の笑顔が待っています。もちろん、麻酔テープの準備や、その後の保湿ケアなど、親ができるサポートはたくさんあります。プロの先生を信じて、勇気を持って一歩踏み出すことが、子供の健やかな肌を守るための最善の道なのです。